南アフリカランド円でオリジナル高利回り預金|お金の貯め方を考えるブログ
本日は、2013年11月12日です。
みなさん、こんにちわ。
最近、過去の記事をちょくちょく編集しなおしている管理人です。
今回は、そんな過去の人気記事「立会い外分売・POの両建て戦略」を読み直して思い出した裏技のご紹介です。
株式で行なう両建て手法。
これを為替でもやっちゃいます。
はじめに
※ゴタクが長いので、お急ぎの方は3章から読んでください。
株式の小技として、両建てによるさや取りがよく知られています。
個人の範疇ならば、株主優待のタダ取りあたりが有名どころでしょうか。
ヘッジファンドの規模で行なうのなら、それは裁定取引なんて言われます。
このように、両建てという手法は意外にメジャーで堅実な取引の手段です。
さて、今回の裏技では、話を株から為替に移します。
もっとも、為替取引では株主優待のようなサービスがないため、保有していてもプレゼントはもらえません。
その代わりもらうことができるのが、スワップ金利です。
1.両建てでスワップ金利を取る
南アフリカランドやトルコリラと言った新興国通貨は、公的金利を非常に高く設定しています。
どちらも、現在なら利率5%程度です。
そのため、FXでも高いスワップ金利が魅力です。
南アフリカランドなら、10万通貨あたりで日に100円は堅いところでしょう。
単純にこれだけの利益が出るのであれば、一年で元金を2倍に増やすことができます。
では、南アランドやトルコリラをたくさん保有し続ければ儲かるのでしょうか?
答えは、Noです。なぜなら、ご存知の通り、為替相場の変動によって損失が出るリスクがあるからです。
現在は、円安傾向が続いています。円の価値が下がり、相対的に外貨が割高です。
特に、アベノミクス効果で円安なので、今から外貨預金を始めるには、時期がよろしくありません。
円高に戻るリスクを考えると、外貨は買うべきではないと考えます。
そこで、考え方を変えてみます。為替差益を忘れてスワップ金利だけを狙うのです。
変動リスクを避けるために必要となるのが両建てです。
外貨の買いをする一方で、その外貨を同じだけ売ってヘッジします。
こうすれば、円高に戻り外貨の価値が下がっても、売り方で利益が出ます。
逆に、買い方は損失を被りますが結構です。なぜなら、両建てならば利益と損失が相殺されるからです。
結果、為替相場の変動リスクを避けることができます。
ただ、FXに造詣の深い方なら、一つ疑問に思うことがあると思います。
それは、売り買いの間にあるスワップ金利の差です。
その指摘は、的を得ています。
なぜなら、一般にスワップ金利は
買い方の支払い金利ー売り方の支払い金利<0
となるように設定されているからです。
もし短絡的に両建てをすれば、支払い金利で日々赤字になります。
そこで、今回の作戦の出番となるわけです。
2.証券会社間のスワップ差を利用する
基本的な方針は、主題の通りです。
証券会社の間でスワップ金利が異なることを利用します。
証券会社は、その方針によってスワップ金利が高い業者と低い業者があります。
スワップ金利が高い業者は、買い方に有利です。
外貨を持っているだけで、儲けが出ます
スワップ金利が低い業者は、売り方に有利です
BIDのポジションを持っていても、支払うスワップ金利が少なくて済みます。
結果、スワップ金利が高い業者で買い立てをし、スワップ金利が低い業者で売り建てをすると儲けがでることがあります。
では、スワップ金利が高い・低い業者はどこでしょう。
色々調べた結果、某L証券とJFX株式会社が候補になりました。
某L証券 | 株式取引でご存知の某L証券のFX取引口座です。 比較的多くの通貨を取り揃えています。 当然、南アランドやトルコリラのような高金利通貨も扱っています。 調べたところ、スワップ金利が他社と比べて非常に高いことが分かりました。 残念ながら、大人の事情によりここではご紹介できません。 |
JFX株式会社 | 個人投資家に人気のあるFX証券です。 調べたところ、スワップ金利が非常に低いことが分かりました。 つまり、高金利通貨でも売りで入る場合に有利な訳です。 デフォルトは1000通貨単位の取引です。 |
※あくまで2013年11月現在の状況です。
詳細はご自身で確認して下さい。
※今回は大人の事情で証券会社をご紹介できません。
下記サイトであれば、もう少し詳しい情報を提供しています。
よろしければ、ご覧ください。
⇒FX取引口座を淡々と評価する(http://fxbrokerreview.blog.jp/)
さて、今回は某L証券で買い建てを行い、JFX株式会社で同じだけ売り建てをしてみます。
次章に検証結果を示します。
3.見込み年間利回り
前章で紹介した両証券会社の実績を元に、年間利回りを割り出してみましょう。
具体的な効果が見えてくると思います。
対象とするのは、南アフリカランド/円(ZAR/JPY)です。
高金利通貨の中でも、メジャーなものです。
この南アランド円を、前述の両建て手法で1年間にどのくらいの金利が付くかをシミュレーションします。
計算には、2013年度10月の両証券会社のスワップ金利の実績をもとにします。
調べた結果、以下の通りになりました。
※南アランド円10万通貨あたり
一日平均8.7円の黒字となりました。
これで利益が出そうなことが分かります。
ですが、利益が小さくては話になりません。
そこで、利回りがいくらになるのか計算してみましょう。
まず、一年を通して、一日平均8.7円の利益が出ると仮定します。 8.7(円/日)×365(日)=3175.5(円/年) では、年利はいくらになるでしょう。 3175.5(円/年)÷100000(円)×100%=3.17(%/年) |
シミュレーションの結果、年利3%以上の利益が出そうなことが分かりました。
これは、下手に外貨預金をするよりお得です。
少なくとも、下手に定期預金をするより良いのではないでしょうか。
もっとも、実際には後述するように金利の変動や価格急変のリスクを含みます。
リスクは対処しなければなりません。
多少の手間がかかる訳です。
次章では、そのリスクと対処方法を説明します。
4.リスクと対策
今回、ご紹介している手法が外貨預金や投資信託と異なる所は、自分でリスクをコントロールする必要があることです。
この点、ある程度FXの知識を持っている人が実践すべきだと思いました。
ですので、悩みましたがFX上級編にカテゴライズした次第です。
さて、以下にはFXの知識があるものとして、リスクと対処方法について説明していきましょう。
①相場急変のリスクと対処
世界で大きな事件などが起きると、為替に限らず多くの相場は急変します。
テロやクーデター等、大きな事件が起きれば南アフリカランドは大きく動きます。
両建てをしていても、そのリスクは避けられません。
具体的に問題となることは、ロスカットです。
例えば、南アフリカでクーデターが起きたとしましょう。
そんなことが起きれば、南アフリカの信用はガタ落ちです。
そうすれば、南アランド円は急落します。
急落すれば、買い建ての口座は損失を被ります。
損失が膨らめば、口座の証拠金が維持できなくなり、強制決済されます。
特に、相場が突然変動した場合、対処している暇がありません。
そこで、あらかじめ手を打っておきます。
そう、逆指値の設定です。
買い建て・売り建ての両方に逆指値を入れておけば、ロスカットの前に決済されます。
これで、買い建てだけがロスカットを受ける事態は起きません。
同時に、売り建ての口座にも指値を入れておきます。
利益が出ても決済する訳です。
利益が出ているならいいではないか?と思うかもしれません。
ですが、イッテコイのリスクが生じます。
あくまでスワップ金利で増やす手法ですので、為替差益は狙いません。
なにしろ損失が出たら、目も当てられません。
なお、指値・逆指値の値は自分の都合で決めることができます。
自身の元金と照らし合わせて、ロスカットにかからない範囲に設定すればよいからです。
この点は、為替相場に詳しくなくとも、対処できそうな所です。
②メンテナンスの必要性
為替相場は、日々変動します。
当然、上下に一方通行の動きをすることもあります。
その場合、買い建て・売り建てのいずれかの口座は損ばかりが積みあがります。
その結果、ほったらかしにしておくと、どちらかの口座はパンクします。
またもや、ロスカットの問題です。
定期的にメンテナンスをしてやらなければいけません。
メンテナンスの方法は、いたって簡単です。
利益がプラスの口座から、マイナスの口座に資金を移すのです。
これで、マイナス口座に余裕が生まれ、ロスカットを避けることができます。
メンテナンスの頻度は、どの程度相場が変動し、どの程度余裕が残るかによりけりです。
資金に余裕がなければ、週一程度は見直したほうが良さそうです。
前述の逆指値の設定と併せて、資金の余裕と手間を考えましょう。
③金利下落のリスク
2013年11月現在、南アフリカランドの政策金利は5.00%です。
ただ、これまで例年下落してきた事実があります。
スワップ金利の大元は政策金利です。ですので、政策金利が落ちると利益が減ります。
一番問題になるのは、金利が減りすぎて利益がマイナスになることです。
今回の方法は、証券会社間のスワップ金利の差で利益を出しています。
しかし、政策金利が落ちると、その差は徐々に縮まります。
極端な話、政策金利が1%を切れば、赤字になります。
ここで必要になるのが、メンテナンスです。
月に一度くらいは、スプレッドの金額を確認しましょう。
前項のメンテナンスのついでに、口座の利益を確認すればOKです。
④税金の確定申告
こちらは、リスクというより手間ですね。
この手法は積み立て預金のように使えますが、実際には為替取引に該当します。
稼ぎすぎたら、確定申告しなければなりません。
確定申告が必要な金額は、雑所得20万円です。
雑所得には、他の為替取引やアルバイトを含む副業が相当します。
ここら辺、注意が必要です。
詳細は以前の記事で紹介したので、参考にしてください。
記事:副業と確定申告
その他、本手法が陳腐化するなど、目に見えないリスクが付きまといます。
これが、上級編にカテゴライズした理由です。
5.応用事例
今回、手っ取り早い方法として南アフリカランド円の通貨ペアを選びました。
ですが、当然これに限らずいろいろと応用が利きます。
一つの例が、トルコリラ円です。
スワップ金利は南アフリカランド円ほど高くはありません。
ただ、一口の金額が少ないので、小さく積みましていくことが可能です。
2013年11月現在で、1トルコリラ=49円です。
FXの証券会社を見直すという手段もあります。
今回は、某L証券とJFX株式会社を使いましたが、どちらも国内の業者さんです。
もし、海外のFX業者にまで選択肢を増やせば、よりよいスワップ金利を提供しているところもあります。
もっとも、大人の事情により、ここではご紹介できません。
別サイトでご紹介していますので、参考にしてください。
FX取引口座を淡々と評価する(http://fxbrokerreview.blog.jp/)
検証はしていませんが、新興国通貨なら全般的に応用可能なのではないかと思います。
これからは、メキシコペソやブラジルレアルがおもしろくなりそうです。
中国元も政策金利が高く設定されていますね。
このあたりは、各社のスワップと睨めっこで考えてみてはいかがでしょうか。
以上、為替の両建てスワップ金利作戦でした。
ちなみに、この手法の元ネタはロブ=ブッカー著「FXトレーダーの大冒険 (ウィザードブックシリーズ) 」から来ています。
今回は、そこに現代日本版アレンジを加えてご紹介してみました。
読み物としても面白いので、一冊いかがでしょうか。
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