TOPIX買いと金額規模の計算
今回は、4月の東証一部昇格銘柄の登場に合わせて、TOPIX買いの計算方法を解説していきたいと思います。
東証一部指定が行われると、その株式会社は新たにTOPIX指数の算出に組み込まれます。 世の中には、このTOPIX指数に連動するようにポートフォリオを組む投資機関が存在します。 GPIFや投資信託を運用する投資機関は、パッシブ運用と呼ばれる手法で機械的にTOPIX関連銘柄を売買します(TOPIX連動ファンド)。 新規の東証一部昇格銘柄はTOPIX指数に組み込まれると同時にTOPIX連動ファンドによって買い入れが行われます。 これが、いわゆる「TOPIX買い」という事象です。
個人投資家がTOPIX買いに乗じて儲けを出すには、TOPIX連動ファンドの買い入れインパクトを算出する必要があります。この算出方法についても解説を加えたいと思います。
- TOPIX銘柄とパッシブ運用
- TOPIX連動ファンドの影響力
- TOPIX買いの金額規模算出の方法
- TOPIX買いの日
TOPIX銘柄とパッシブ運用
先日の記事でも書いた通り、4月という時期は東証一部上場を果たす銘柄が多数現れます。じゃあ、この東証一部上場が個人投資家にもたらすメリットは何かと言うと、それはTOPIXファンドへの組み入れです。
投資機関の運用には、2種類のものがあります。アクティブ運用とパッシブ運用です。アクティブ運用というのは、いわゆる銘柄選定を絞ることで、騰がりそうな銘柄を選んで利益を狙っていく運用手段です。この点、アクティブ運用は我々個人投資家と目的を同じくしています。
一方で、パッシブ運用というのは、機関投資ならではのポートフォリオの組み方です。 パッシブ運用というのは、いわゆるTOPIX連動型ファンドを組むことです。 TOPIXを構成する銘柄を全て組み入れ、あたかもTOPIXの縮小版ともいれるポートフォリオを組みます。 そこには、値上がり銘柄を狙うという運用の意図はなく、淡々とTOPIXに連動するように構成比率を組み替えて、TOPIX銘柄を売買します。
ここが個人投資家にとっての狙い目になります。 東証一部上場銘柄は、新たにTOPIX連動型ファンドに組み入れられる時期に大幅な値上がりをするからです。 4月のこの時期は大幅な構成比率の見直しがされるため、新規採用銘柄が注目の的になります。
詳しくは、記事「東証一部上場銘柄で利益を出す」をご一読ください。
TOPIX連動ファンドの影響力
では、TOPIX連動ファンドがどのくらいの影響力を持っているか解説していきましょう。
先日、麻生財務大臣が言及して一部のニュースで話題になったのが、GPIFという投資機関です。GPIFとは、Government Pension Investment Fundの頭文字で、年金積立管理運用独立行政法人の通称です。 何をしているところかというと、我々日本国民の厚生年金を管理・運用する投資機関です。
このニュースを調べていて知ったのですが、このGPIFはべらぼうな運用資金を持っています。その金額は約16兆円。世界的に見ても、3本の指に入る規模の投資期間です。
麻生財務大臣が「GPIFの動きが6月頃に出てくる」と発言したことで、先日、東証株価指数が大幅な値上がりを見せました。 買いの主導は、外国人投資家です。 つまり、外国人投資家を動かすくらい影響力の高い投資機関であるのです。
TOPIX買いの金額規模算出の方法
さて、前述のGPIFの運用資産の額を使うことで、新規に採用された銘柄のTOPIX買いが行われる際に、その金額規模がどの程度であるかを概算することができます。
GPIFはパッシブ運用がメインです。つまり、16兆円全ての金額が東証一部を構成する銘柄に流れ込みます。これに加えて、証券会社の投信や個人投資家合わせて、約20兆円がTOPIX構成銘柄に流れる資金であると言われています。
すると、TOPIX構成銘柄の算出方法を鑑みて、以下の計算式でTOPIX買いの規模を概算することができます。
- TOPIX買いの金額規模の計算式
- 金額規模=パッシブ運用の全体資金(20兆円)×(その銘柄の時価総額×浮動株比率÷東証一部全体の時価総額)
カッコの中の計算式がTOPIX指数への寄与度を与える計算式で、それにそのままパッシブ運用の運用資金20兆円を掛け合わせます。
東証一部全体の時価総額は約275兆円と言われています。これらの数字がそろってくると、実際の計算をすることができます。例として、3月にマザーズから東証一部に昇格したオルトプラス(3672)の金額規模を計算してみましょう。
- オルトプラス(3672)のTOPIX買いの規模
- パッシブ運用の全体資金:20兆円
- オルトプラスの時価総額:163億円(四季報1/31)
- オルトプラスの不動株比率:34.7%(2013.9)
- 東証一部全体の時価総額:275兆円
=20兆円×163億円×0.347÷275兆円
=4.11億円
オルトプラスは普段の売買代金が約2億円ですから、2日分の金額が一方的に買われるということですね。
TOPIX買いの日
最後に、TOPIX買いが行われる日を解説して終わりにしましょう。
TOPIX買いは、基本的に翌月1日に受け渡しがされるように行われているようです(※筆者の個人的な推測による)。株式の受け渡しには3営業日かかりますので、TOPIX買いの日は月末になります。例えば、2014年4月現在でしたら、翌月5月1日から逆算して4月28日が予定日です。
TOPIX買いが行われたという推測は、株式の出来高と株価の大幅な上昇で確認することができます。 大体、少なくとも3%~5%程度の大きな買いが入るので、一目でそれだと分かります。
もっとも、このTOPIX買いは、必ず行われる訳でもないようです。 管理人も肩透かしを受けた経験が多々あります。 逆に、TOPIX連動運用の調整のため、ファンドが一部を売り外すこともあります。 その場合は、同じく一方的に売られるので、それであると分かります。
ここらへんの銘柄の選定は、東証一部上場後の値動きとTOPIX買いの金額規模を勘案して、よく考える必要があります。
以上、TOPIX買いと金額規模の計算方法のご紹介でした。
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