立会外分売から東証一部昇格銘柄を予想する
本日は、2013年11月22日です。
みなさん、こんにちわ。
今回は、当ブログのキラーコンテンツ「立会外分売」についてのお話です。
本ブログには、毎日たくさんの方々にご訪問いただいています。感謝感謝の毎日です。
さて、日々みなさまの検索ワードを見ていると、毎日トップに踊り出るのが「立会い外分売」です。
そんな訳か、記事「立会い外分売で後だしジャンケン」は当ブログのキラーコンテンツとなっています。
ただ、株式相場の本質を見極める上で、上記の手法はあくまでTipsでしかありません。
立会い外分売と即売りで小銭を稼ぐよりも、もっと大きなポテンシャルを秘めたノウハウがあるのです。
そんな訳で、今回はもう少し深いお話です。
立会外分売から東証一部昇格を考察するノウハウのご紹介です。
1.立会外分売は何のために行なうか?
企業が立会い外分売をする理由は、様々です。
単純に、市場から資金を調達したいという理由もあります。
ただ、多くの場合に使われる理由は、「株式の流動性向上を図る」ことです。
「株式の流動性向上を図る」というのは、一体どういう意味でしょうか?
端的に言うと、市場に自社株をばらまくことです。
創業間もない企業で特に顕著ですが、発行株式の多くをオーナーや創業メンバーが保有していることが多々あります。
そうした株式のことを特定株といいます。
そして、特定株は、ずっと保有されたままで市場で売買されません。
結果、少数の株主で自社株を保有し続けることになります。
しかし、株主の数が少ないということは、経済的に閉ざされた企業ということです。
自由経済の観点から、好ましくありません。
そんな訳で、東証の上場基準では、一定の流動性を保つことが審査基準となっています。
流動性の基準は、株主の数です。
例えば、東証一部の上場基準では、株主数が2200人以上であることが求められます。
東証HP:http://www.tse.or.jp/rules/listing/stlisting_1st.html
このような訳で、東証の上部を目指す企業にとっては、株主数を増やすことが絶対条件です。
その手段が、立会外分売や公募増資(PO)である訳です。
「流動性を向上を図る」という言葉の裏には、「特定株を一般投資家に流すことで株主の増加を図る」という意味が隠されているのです。
2.立会外分売で東証一部昇格を予想する
さて、前置きはこのくらいにして、今度は儲け方の話をしましょう。
立会外分売が実施される場合、まずチェックすべきはその企業の株主数です。
もし、株主数が1900~2200人くらいなら、要チェックな銘柄です。
なぜなら、東証一部昇格の望みが出てくるからです。
前述の通り、東証一部指定を受けるには、以下の審査基準があります。
審査基準:
「株主数(指定時見込み)2200人以上」
東証HPより:http://www.tse.or.jp/rules/listing/stlisting_1st.html
この基準をクリアできなければ、一部昇格は叶いません。
ただ、審査申し込みの時点では、基準を満たしていなくても構いません。
なぜなら、「指定時見込み」との注記がありますから。
簡単な話、立会外分売や公募増資をして株主を増やせばいいんです。
気づかれましたか?
そう。
立会外分売や公募増資をする銘柄は、東証一部指定を企んでいることがあるのです。
ここが今回のポイントです。
東証一部指定を受ければ、その銘柄の株価は上昇します。
そして、立会外分売を見張っていれば、東証一部指定銘柄を予想することができます。
ということは、事前に仕込んでおけば、一攫千金を狙うことができる訳です。
具体的な例を出していきましょう。
3.過去に立会い外分売・公募増資で一部昇格した銘柄
2013年に一部昇格を果たした銘柄は、11月現在で40銘柄です。
その中で、私の記憶に一番残っているのが、エー・ピーカンパニー(3175)です。
この銘柄、2012年8月のIPO銘柄でした。
当時はIPOにはまっていたので、当然申し込んだわけですが、残念ながら外しました。
記録によると、当時の公募価格は2350円だったようです。
結局、東証マザーズに上場しました。
このエー・ピーカンパニー。上場直後に、公募増資を行ないます。
おなじく、2012年9月のことです。
当時は、IPO直後のPOということでスルーしていました。
しかし、この見逃しが運命の分かれ道になりました。
そして、本年の2013年8月。運命の時がやってきます。
そうです。東証一部への昇格です。
ちょうどマザーズ上場一周年の出来事でした。
残念ながら、私はこれもスルーです。
結婚式の準備でてんやわんやの頃でした。
こんな感じで、エー・ピーカンパニーは『IPO⇒PO⇒一部上場』という最短距離を走りました。
株価は現在でも2300円です。
ですが、株式分割を経て、発行株式・資産は3倍に膨れ上がっています。
相場に「もしも~」はありませんが、公募増資でピンと来て買っていれば資金は10倍以上になっていたでしょう。
公募増資からの東証一部指定で、最高に儲かったであろうパターンです。
以上は、本当に極端な例です。
ただ、立会外分売・公募増資からの東証一部昇格コンボはしばしば見かけます。
他にも、以下のような例があります。
電算 | 3640 | 分売価格1910円 | ⇒ | 一部指定後2400円 |
GMB | 7214 | 分売価格1053円 | ⇒ | 大証一部昇格。現在東証一部指定1250円 |
ヒト・コミュニケーション | 3654 | 分売価格1356円 | ⇒ | 下落するも現在1600円 |
クリエイト・レストランツ・ホールディングス | 3387 | 2700円 | ⇒ | 一部昇格。現在3000円 |
ただし、株価が上がるには、一部指定がサプライズである必要があります。
分売と同時に、一部指定が発表された場合は微妙なところです。株価に織り込まれてしまうからです。
逆に、一部指定されなくとも、指定の噂や思惑で株価が上がることもあります。
そんなときは、とりあえず買っておくのもアリです。
立会外分売が発表されたら、一部指定の可能性と併せて、世間の予想もチェックしましょう。
4.まとめ
- 立会外分売・公募増資が実施されたら、一部指定の可能性を疑う。
- 一部指定の条件は、株主の数2200人。四季報をチェック。
- 株主数2200人に届かないなら、要検討。立会い外分売で指定条件クリアかも。
- 一部指定が市場で噂され始めると、株価が上がりはじめる。買いどき!?
- 持っている株式が一部指定されたら大成功。
以上、立会外分売による昇格の考え方のご紹介でした。
ちなみに、この記事を書いている本日も、昇格銘柄が発表されています。
enish(3667)です。
東証HP一部指定銘柄:http://www.tse.or.jp/listing/1section/1sec.html
確か、去年あたりにPOをしていましたね。
今回の元ネタは、いわずと知れた『コバンザメ投資法』です。
↓もっと詳しい話はこちらを読んでください。
ちなみに、もう新刊では手に入りません。
なくなる前に、中古で買っておくといいかもしれません。
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はじめまして、カラクハラです。いつも当ブログの記事をみて勉強させて
もらっています。
早速ですが、エー・ピーカンパニー(3175)の記事について質問です。
「公募増資でピンと来て買っていれば資金は10倍以上になっていたでしょう。」と言うことですがこの銘柄は一部上場した前後で株価はさほど変化が見られないと思いますがなぜ資金が10倍以上になるのでしょうか?ご教示をお願いします。
株の初心者ですので質問がピンとこられないかもしれませんがご容赦ください。
by karakuhara (2015-11-19 23:46)
カラクハラさん。こんにちわ。
資金が増えるポイントは「株式分割」です。
株価は変わっていないように思えますが、手持ちの株数が3倍に膨れ上がります。
手持ち株式の時価総額=株価×株数
厳密に言うと、株式分割で株価は分割される分だけ割り算で減ります。
例:
2700円の株式100株が株式分割で3分割(トータル270000円)
⇒株価900円の300株(トータル270000円変わらず)
APカンパニーの場合、この株価900円から2700円の3倍にまで再上昇しました。
ここからさらに信用取引等でうまくトレードすれば、10倍くらいはいっただろうという計算です。
by quattroguts (2015-11-20 23:33)
早速回答をいただきまして、ありがとうございます。株式分割し株数が増えたところに株価が元の水準にもどったことで資金が増えるわけですね。これからも御教示をよろしくお願いします。
by カラクハラ (2015-11-21 19:00)